紅簾石片岩と緑泥石片岩の石垣

 徳島市伊賀町2丁目から3丁目にかけての眉山一帯は江戸時代紅簾石片岩や緑泥石片岩の石切場であり、岩奉行の指揮下で掘り出されていたといわれている。

 紅簾石片岩(通称紅簾石岩)は変成岩の一つで、四国に多く見られるが外国では非常に少ない。 外国では、ニュージランド南島やアメリカのカリフォルニアから産出されているのが有名。

 徳島城の石垣にも数多く使われており、お城の石垣として使われるのはあまり多くない。 徳島城の下乗橋近くの石垣に多く見ることが出来る。

 1987年、東京大学地質学教室の小藤(ことう)文次郎教授が眉山の結晶片岩に紅簾石が含まれていることを知り発表、眉山とそこから産出する紅簾石片岩が世界中に知られることとなった。

 緑泥石片岩(通称緑泥石片岩、青石)も庭石として非常に高価でよく利用されている。 江戸時代、眉山山麓の石垣に緑泥石片岩と紅簾石片岩が多用されていた。