眉山の麓、勢見町にある観音寺は、吉野川下流にある三十三か所の観音をまつる霊場を結んだ「阿波西国三十三番札所」の第一番の札所・霊場である。

 本堂は、桃山時代から江戸初期によく造られていた権現造りの様相を残す代表的な建造物である。 その複雑な屋根と軒の反りの美しさは他の追従を許さぬ優秀さを持っていると専門家はいう。

 山門も江戸中期に建造されたものとされ、三間一戸の単層、寄棟造りで、本堂とともに貴重な歴史的建築物である。 この山門には南北朝時代の代表的仏師の作で芸術的にも優れた仁王像を安置している。

 裏山の山沿いに作られたこの寺の庭園は徳島市指定の文化財で、築山池泉式庭園である。 三尊石や枯滝の石組は築庭当時の優れた手法を残している。

観 音 寺

文 化 遺 産