「勢見のこんぴらさん」と親しまれる金刀比羅(ことひら)神社の大灯籠の一番下になる石材は一間半四方でタタミを敷くと四畳半の広さがある。

 よく知られているように、藍玉を大阪へ積み出している業者が相談して大阪の住吉大社へ灯籠を寄進した積立金の残りで造られた灯籠で、天保十年(1839)作られた。 『加登屋日記』に「十二月より子(ね)正月早々迄に出来棟上に相成申候」とあるので、十一年一月に完成したらしい。

 金刀比羅神社には大灯籠の他に、天保十一年十月寄進された陶器製の珍しい灯籠がある。 『加登屋日記』に「勢見金比羅様へ市中瀬戸物店中より唐津(からつ)藍もやふ(模様)石灯籠一対高さ五・六尺これあり候を十月上旬寄付つかまつり・・・・・はなはだ奇麗(きれい)のものにて候」とある。


勢見の金刀比羅神社の大灯篭

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